進撃の巨人

常に想像の上を行く展開、脳ミソ大混乱の衝撃場面の連続、大人も絶対にハマる大作アニメ。

アニメ『進撃の巨人』ダークファンタジー
引用元 shingeki.tv ©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

おすすめ度5

大人満足度4

★はあくまで筆者の主観。大人満足度は大人向けの内容という意味ではなく大人が楽しめるかどうか。

制作年:2013年 〜 2023年

このブログを訪れてくれたあなたなら、当然のごとく本作『進撃の巨人』のことは良くご存じだろう。今さら私が新たに加えられる情報など無いのだが、50歳を過ぎた普通の男がアニメにドハマリするキッカケとなったのが、他でもない本作なのである。つまり思い入れがある。大して面白くも無い駄文となるが、お付き合い願えれば幸いである。

「原作漫画より面白い」は本当か?

あまり面白くない・・・割と漫画の趣味の合う知人が、原作漫画を少しだけ読んだ感想がこれだ。私は原作漫画もかなり面白いと思っていたが、この知人の気持ちも分からなくもなかった。なぜか?

原作漫画の初期は絵が下手なのだ。漫画における“下手”とは、デッサンが狂ってるとか、パースがおかしいとか、背景が雑だ、などではない。そんなのはどうでもよろしい。最も重要なのはキャラの描き分けである。とりわけ本作『進撃の巨人』の初期では、軍隊での新兵訓練であるため登場人物らが皆同じような格好をしており、下手さと相まって混同しやすい。

ハナタレのガキの頃から漫画どっぷり人生の私くらいになれば、キャラの描き分けが下手くそであっても、受け手側のスキルでどうとでもなるのだが、普通の人にとっては話の展開が分かりにくいようで、結果「あまり面白くない」という感想になる。

その点、アニメでは作画と色彩でキッチリとキャラを描き分けているし、何より個性豊かな声優さんたちの演技により、登場人物たちを混同してしまうことは全くない。したがって、抵抗感なく作品世界に入り込める。もちろん、アニメの良さはそれに留まらない。躍動感溢れる映像、それを盛り上げるBGMや効果音、そして主題歌も素晴らしいのだ。

原作漫画とアニメ、どっちが面白いか?などと考えるのは無粋だが、老眼の身にはやはりアニメだね。

見どころ:とにかく引き込まれる。続きが気になって仕方ない。

まず、謎だらけで独特な世界観にあてられる。何だ?何だ?と脳内が疑問符で溢れかえり、核心に近づいたと思ったら、それは更なる深い謎の始まりに過ぎず、それゆえどうしても続きが気になってしまうのだ。とてつもなく巧妙に布石が敷かれており、しかし完膚なきまでに予想を裏切られ、度肝を抜かれている間にあれよあれよと展開していく。完全にアニメの中に埋没してしまい、「心臓を捧げよ」という作中の独特な敬礼を、気付けば大の大人が日常でやっちまいそうになる厨二病を発症している。

また、このアニメは戦闘シーンが抜群に面白い。戦闘に至る経緯、よく考えられた戦術と現場での的確な判断、手に汗握るアクション、そして戦闘がもたらしたその悲惨さまで、場面の一つ一つが心奪われるほど見事に描かれているから、何度でも見返したくなる。

個性豊かな登場人物たちも本作の魅力である。声優さんらの見事な演技に支えられた、彼らのやりとりや政治的な駆け引きが面白い。

謎を追うスタイルの作品は、謎が解けてしまえば興が冷める。が、本作『進撃の巨人』はシーンの一つ一つに興奮させられるため、謎と関係なくまた見返したい衝動に駆られる。中毒性があるのだ。

設定:巨人の存在という荒唐無稽さ、そして「立体機動装置」という独創的な兵器で対抗するさまに、単純にワクワクさせられる。

このアニメの独特さと異様さは、滑稽な姿形の巨人がどこからともなく現れ、問答無用に人々を補食することだ。ただ殺されるだけではない。生きながらに食われるのだ。えも言われぬ恐怖と嫌悪に震撼する。子どもの頃に見た映画『ジョーズ』をちょっと思い出させる。

だが、その対抗手段が実にイカしている。それが立体機動装置だ。この発明により巨人との戦闘シーンが大変見応えのあるものになっている。絵を動かす巧みさ、盛り上げる音楽と相まって、他に類を見ないアクションを楽しませてくれる。

↓Season1 前期の主題歌。曲もカッコイイし、立体機動装置のダイナミックさも凝縮された映像だ。

立体機動装置の動力源はガス圧のようだが、普通に考えるとそれではパワーが全く足りない。他にもツッコミどころ満載ではあるが、原料に特殊な鉱石を用いているらしいので、それが『ラピュタ』の飛行石よろしく重力と加速度をコントロールしてくれていると考えることにしよう。刃がカッターナイフ的で使い捨てってところに、それとは逆にリアリティを感じる。

いや、巨人って…、マジで何なの?

巨人はまったくもって意味不明な存在だ。そこで当然、視聴しながらその正体をあれこれ想像することとなる。物語が始まった当初は何も手がかりがない。以下のような情報が小出しに示されるのみである。

  • 巨人は人間を補食するが、目的は殺戮である。巨人は食料を必要としない。
  • 巨人は実は軽い。
  • 巨人は大きすぎるため、本来なら立っていることすら困難なはず。よって、認識している現象と実情は違うのではないか。
  • 人間との比率で考えると、極めて力が強い。
  • 巨人が出現するとき稲光のように光る。
  • 急所以外を損傷してもすぐに修復する。
  • 巨人が死ぬと蒸発するかのように骨だけとなる。(恐らくその骨もそのうち消失する。)

これらの情報から私が導き出した仮説は「巨人は先史文明が作り出した兵器で、実態は高エネルギー体である。そのエネルギーは遙か上空にある衛星からレーザーのような形で瞬時に供給される。人間を依り代にしているからバグって巨大な人型に変形してる。」である。もちろん全然違う。🤣

今にして思うとこの仮説も『ラピュタ』っぽいな。金曜ロードショーで『ラピュタ』見たとき思いついただけかもしれん(笑)

ストーリー:展開が予測できない。衝撃的すぎて心がついて行けない。だから痺れるほど面白い。

とにかくこのアニメは衝撃の連続である。希望が見えてきたと思ったら、絶望に叩き落とされ、敗北に打ちひしがれたのに、しかし這い上がり逆襲を果たす。上げたり下げたりの連続である。思いもかけない展開に惹きつけられるから、どうやったって続きが気になる。

戦闘シーンが見どころのアニメでありながら、謎に迫って行く展開にもゾクゾクさせられる。巨人が出現したことによる社会全体の反応もリアルだ。そしてそれゆえ、様々な立場の者たちの思惑と政治的な駆け引きなどもあり、物語を多面的に楽しませてくれる。

小さな子供だった主人公の成長に合わせるかのように、物語のスケールが大きくなっていくのも引き込まれる要因の一つだ。登場人物たちの成長や変節もストーリーに奥行を与える。

かなり長い物語だが、最後まで視聴したとき、最初から遙か先まで見据えて緻密にストーリー設計されていたことを思い知らされる。原作漫画の連載開始時、作者は若干24歳だったというから空恐ろしい。天才ということなのだろう。

小難しいことは抜きにしても、とにかくワクワク・ドキドキさせられる。これぞアニメの真骨頂。

本作はキャラクターの個性がずば抜けてて、それを演じる声優さんが素晴らしいのだ!

主人公のエレン・イェーガー(声:梶裕貴さん)、ミカサ・アッカーマン(声:石川由依さん)が素晴らしいのは周知のことなので、ここでは脇役を二人だけ挙げてみたい。(もちろん、この二人以外もホントすごいのよ。)

ハンジ・ゾエ(声:朴璐美さん)。彼女の明るさ、好奇心に満ちた瞳と行動力、そしてユーモアに何度救われただろう。それもこれも、声優の朴璐美さんの演技力があればこそだ。

アルミン・アルレルト(声:井上麻里奈)。脇役というより準主役だ。なにせ物語はほぼ彼の視点で進行すると言って良い。少年期から青年期までの男性の、それも様々な感情の声を、声優の井上麻里奈さんが見事に演じきっている。

あとリヴァイが強ぇぇぇ!格好良すぎぃぃぃ!!

知ってる?声優の神谷浩史さんは『しろくまカフェ』のペンギンさんと同じ声なんだよ。ギャップえげつないって!ちなみにエルヴィン団長を演じる小野大輔さんはラマさんである。

『しろくまカフェ』ペンギンさん=リヴァイ兵長&ラマさん=エルヴィン団長
©ヒガアロハ/しろくまカフェ製作委員会 2012(左)、©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会(右)

『進撃の巨人』まだ見てない人が逆にうらやましい(笑)。全話間髪入れずに一気見できるのだから。

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